この会は、不慮の事故や脳血管障害・脳炎などの病気で'高次脳機能障害'という後遺症を負ってしまった当事者とその家族が参加して結成された会です。

 事故や病気で脳の一部を損傷し、言語機能障害、記憶障害、注意障害、遂行機能障害などの認知障害や社会的行動障害など日常生活や社会生活への適応が困難になる'高次脳機能障害'を生じることがあります。
 しかしながら、脳機能の障害は個々の症状がそれぞれ異なることや、外見ではわかり難いために社会から理解を得がたいといった問題を抱えています。そのため『見えない障害』ともいわれ、当事者や家族が障害を正しく理解し、適切な処置を行うことや社会復帰、社会参加を自力で実現させることに困難が伴います。
 そこでこの会が、行政機関、医療機関、福祉機関などの情報を提供することや、当事者と家族の交流や情報交換の場を提供すること、さらに社会に対しこの障害の理解を深めるよう啓発活動を行い、支援サービスの充実化へ向けて地道に活動を展開しています。

 平成19年1月に待望の富山県高次脳機能障害支援センターが開設されました。個人の状態や要望に合わせた支援により成果は上がっているようです。 高次脳機能障害支援センターに対しての期待も大きく、長年地道な運動を展開され、待ち続けてこられた仲間の方々の喜びは、計り知ることの出来ない重みがあります。今後一人でも多く利用され、自分なりの希望が持てる人生を送れるようにするために、支援センターの役割は大きいと思います。温かな心の通う支援センターであってほしいと願っています

 高次脳機能障害は精神やこころの障害であり、その人の適切な社会行動を困難にすることから、当人だけでなく家族や周囲の人々も困惑させます。関わりようによっては混乱が拡大し、孤立や隔離といった対応に陥ることもあります。障害の全貌を理解することは容易ではありませんが、関わる可能性のある多くの人々が障害に関する適切な知識を持つことで、行動の不可解さに由来する不安を緩和することができます。個々には重傷度も障害の現れ方も異なり、家庭での自立した生活、さらには就労など、社会参加の拡大を支援する技術の開発には未だ数多くの課題が残されています。

 そのためには、私たち家族、当事者は、病気・障害を受容し、正しい知識で医療関係者、一般社会、行政、メディアなどと良きパートナーシップを築くことが、大切だと思われます。
まだ障害に気付かず、一人で悩んでいる方も多いはずです。支援の輪が県全体に広がるよう脳外傷友の会「高志」会員一同積極的に活動を展開していきたいと思います。

平成12年4月から、脳外傷友の会「みずほ」富山支部として活動
平成15年6月22日「みずほ」から独立し「日本脳外傷友の会」の富山県支部
平成23年9月22日富山県から「特定非営利活動法人脳外傷友の会高志」の認証得る。